魚介類
ホタテガイ/ホタテ貝柱
分類 | イタヤガイ科ホタテガイ属 |
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学名 | Mizuhopecten yessoensis |
外国語名 | scallop (英)、Saint-Jacque (仏) |
別名 | あきたがい |
由来 | 貝殻の片方を帆のように立てて海を千里も走るという言い伝えから「帆立貝」と呼ばれるようになったといわれる。古語では「海扇」とも呼んだ。 |
歴史背景 | 中国ではそのおいしさをたとえて貝柱を「楊貴舌」と呼び、煮て乾燥させた干貝(かんぺい)は高級中華食材として欠かせない食材の一つ。日本では古くから食用しており、17世紀の文献にも登場する。 |
時期 | 産卵期前の4~5月。 |
国内分布 | 市場に出回っているものはほとんどが養殖もので、北海道、青森、岩手、宮城などが主産地。日本産は美味で知られ、海外にも輸出されている。 |
特徴 | カキとならび、世界各国で食されている貝のひとつ。日本では北日本を代表する貝。貝殻は扇形で、貝柱が非常に大きい。うまみのかたまりといわれる貝柱が甘いのは、アミノ酸が豊富に含まれているため。特に3~4年ものがおいしく、柱が大きく、こんもりと盛り上がり透明感、つやのあるものが美味とされる。外套膜は貝ヒモとよばれ、塩辛や燻製にされる。 |
下処理 | ふくらんだ殻の方を上にして持ち、殻の合わせ目にナイフを差し込んで、貝柱をすくうように殻からはずし、身のまわりについているひもとわたを手ではずす。貝殻以外は食用となるが、黒緑色をしたウロ(中腸腺)は除去する。 |
料理名 | 帆立貝のニース風煮込み、帆立貝のパプリカ風味焼き |
調理法 | 殻つきの生きているものなら刺し身、貝焼きなどが楽しめる。むき身になった貝柱ならサラダや酢の物、バター焼き、フライ、ムニエル、煮物、グラタン(コキーユ)などがおいしい。肝はややほろ苦いがおいしく、ひもと一緒に煮物や焼き物にするとよい。冬場になると貝柱に甘みとうまみが凝縮されて、いっそうおいしくなる。 |
加工品 | 冷凍品、むき身のボイル、干し貝柱、水煮缶詰 |
選び方 | 生きているものなら殻が開いていて、さわるとサッと殻を閉じるものが新鮮。貝柱を選ぶときは、身に透明感とつやがあり、こんもりと盛り上がったものがよい。加熱されているむき身なら、身が厚くてべたつかないものが新鮮。 |
保存方法 | 冷蔵または冷凍 |
栄養 | 低カロリー、高タンパク質。亜鉛が多い。グリシン、アラニン、グルタミン酸などの遊離アミノ酸、イノシン酸などうまみ成分が豊富 |
備考 | ヨーロッパでは十字軍のシンボルとされたほか、十二使徒のひとり聖ヤコブの杖にほたて貝がついていたことから、彼の埋葬地・スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラでは家の玄関に貝殻を飾る習慣があった。中世以降、巡礼者がここを訪れ、必ずほたて料理を食べ、貝殻を持ち帰るようになったとか。 |