魚介類
ハモ/鱧
分類 | ハモ科ハモ属 |
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原産地 | シナ海、インド洋、日本では青森県以南の日本各地に分布している。 |
学名 | Muraenesox cinereus |
外国語名 | pike eel, pike conger, sharp toothed eel (英) |
別名 | 本ハモ、青ハモ、ウニハモ、ウミウナギ、ジャハム など |
由来 | 歯が非常に発達しており、古語の「食(は)む」に由来する。または歯持ちからハモになったといわれる。北日本ではアナゴのことをハモとよぶところがあるので混同しないように注意が必要である。 |
歴史背景 | 旬の時期が京都の祇園祭、大阪の天神祭りと重なるため、祭りのときに客にハモを振舞う習慣が生まれた。鱧祭りといわれる由縁である。 |
時期 | 5~6月は若ハモが出回り、7~8月のハモが一番脂がのっていて美味である。「鱧は梅雨の水を飲んで旨くなる」といわれ、梅雨明け時期においしくなる。この時期から秋にかけてさらに脂がのり、味に深みがでた秋の鱧は松茸とともに土瓶蒸しなどで賞味される。 |
国内分布 | 長崎、徳島、愛媛、山口、和歌山など。 韓国や中国からの輸入も多い。 |
特徴 | あごが細長く、歯が非常に発達しており、鱗がない。メスのほうが大きく、10年で全長1mになるのに対して、オスは70cmくらいにしかならない。小骨が多いため、関東ではもともと食べる習慣がなかったが、関西では骨きりという技術により、食することが可能となった。肉は脂質に富み、淡泊で美味である。 |
下処理 | 皮と身の間に無数のかたい小骨があるので、「骨切り」という、特別な下ごしらえが必要となる。骨切りは、腹から開いたはもの皮の方をまな板にぴったりと密着させるようにおき、目打ちで固定し、尾びれの近くからL字型に切り背びれに沿ってV字型に切り込みを入れる。背びれを右手の親指と刃先で挟み、肩口にむかってゆっくりとはがす。左右の腹骨をそれぞれそぎ取る。つぎに包丁の切り込みが皮にとどくぐらいにしっかりと、手前から向こう側へ押すように、ごく細かく切っていくものである。この骨切りは1寸の間に24回包丁を入れるのが理想とされ、高い技術が必要である。 |
料理名 | ハモと松茸の巻き揚げ、ハモのてんぷら、鱧落とし(ハモの湯引き)、鱧切り落とし(椀物)、はもきゅう、ぼたんハモ(椀物)、ハモ沢煮汁、マツタケとハモの土瓶蒸し、ハモ源平焼き、鱧ずし、鱧の皮、葛打ち鱧の梅肉かけ、鱧そうめん |
調理法 | 熱湯の中でサッとゆでてからすぐ氷水にとり、水けをきって梅肉醤油や酢みそで食べる“はもちり”が有名。京都や大阪では、この他にも、はもずしや天ぷら、土瓶蒸しなど、さまざまな料理法で賞味されている。はもずしにする場合には、一度白焼きにしてからタレをつけて、かば焼き風に焼いたものを使う。椀種にするときは、薄く片栗粉をまぶしてサッと熱湯をくぐらせてから用いる。また、皮をつけ焼きにしてから、酢の物や炊き込みご飯に使うのも美味である。いずれの料理のときも、できるだけ細かく、ていねいに骨切りをし、食べたときに小骨を感じないようにすることが肝心である。 |
加工品 | 練り製品の原料となる。鱧の皮(乾燥) |
選び方 | 大きな雌が美味。小さな青みのあるものは雄であるから選ばない方がよい。表面のヌメリに透明感があり、ツヤのあるもの。活魚は硬直していないもの、活け締めは死後硬直前か硬直直後のものが良い。 |
保存方法 | 冷蔵または冷凍 |
栄養 | タンパク質、脂質が多い。脂質にはIPA(EPA)、DHAを含む。カルシウム、ビタミンA、D、Eが比較的多い。 |