元気が出るレシピ
口内炎になりやすい

Update | 2020/10/26

食べ物がしみる、痛くて食べづらい、しゃべりにくいなど、何気なく生活に支障をきたす口内炎は、ストレスや栄養不足など、免疫力が低下した体のサインとも言われています。ここでは、口内炎の対処法や、おすすめのレシピ、食べ方などをご紹介します。

  • 監修:高浜デンタルクリニック院長、健康咀嚼指導士、料理研究家 田沼敦子 先生
  • レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック

口内炎になぜなるの?

「口内炎」とは、口の中や周辺の粘膜に起こる炎症の総称です。その原因ははっきりとわかっていませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、ビタミン不足の他、口の中を噛む、入れ歯や矯正器具が接触するなどの物理的な刺激などが考えられます。また、他の病気の症状のひとつとして現れることもあります。単純ヘルペスウイルスの感染、梅毒・淋病・クラミジアなど性感染症(STD)によるもの、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌によるものなど、ウイルスや細菌の増殖が原因となる「ウイルス性口内炎」や、特定の食べ物や薬品、金属が刺激となってアレルギー反応を起こす「アレルギー性口内炎」、喫煙の習慣により口の中が長期間熱にさらされることで起こる「ニコチン性口内炎」など、さまざまな原因があります。

口内炎になったら

症状が軽い口内炎の場合は、まずは生活習慣の改善が大切です。ストレスや疲れなどで免疫力が低下している場合は、睡眠をしっかりとり、ほどよい気分転換を心がけましょう。食事面では、刺激の強い香辛料や熱いもの、濃い味つけのものなど、傷口を刺激するものは避け、アルコールやたばこ、甘いお菓子などもビタミンを破壊してしまう恐れがあるので控えること。ビタミンB2・B6・Cは皮膚や粘膜の健康維持を助けてくれるので、緑黄色野菜を毎日の食事に取り入れることもおすすめです。入れ歯の不具合などがある場合は、器具の不具合を直し、炎症が悪化しないように歯みがきなどで口腔内を清潔に保ちましょう。通常、口内炎は長くても2週間ほどで治まります。症状が長期間続く場合や、何度も繰り返す場合、腫れて膿がたまるような症状がある場合は、早めに歯科や口腔外科、耳鼻科などを受診しましょう。

噛み方・食べ方アドバイス

口内炎を予防するには、口の中を清潔に保つことが大切です。口の中が乾いていると粘膜の免疫力が低下したり、舌や口が滑らかに動かずに口内を傷つけたりすることがあります。水やお茶でうるおし、あめやガムなどで唾液を分泌させましょう。食事のときに噛む回数が増えると、唾液がよく出るようになります。食物繊維たっぷりの根菜、乾物、葉物野菜、きのこなどは、歯や歯茎のブラッシング効果があり、噛みごたえもあります。凍り豆腐、油揚げ、厚揚げ、こんにゃくなどは、やわらかいけれど弾力があるので、噛む回数が増えます。

一方で、口内炎があるときは、やわらかい食材を選んだり、かたい食材には隠し包丁を入れたり、焼き物より煮物にしたりすることで、噛む回数を少なくし、食べやすくします。また、痛みがあるときでも、噛みやすく飲み込みやすいように、水分の多い汁物や蒸し物にし、煮汁にとろみをつけるなどの工夫をするとよいでしょう。

出典:月刊『栄養と料理』「歯医者さんの『噛み方』『食べ方』アドバイス」より再編集
レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック 特別講師 今泉久美

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