元気が出るレシピ
汗をかいた後に
Update | 2020/08/20
体内の水分量は、その摂取と排泄によって一定に調節されていますが、暑さ等から体が脱水状態になると、熱中症や夏血栓(脳梗塞)を発症することも。上手な水分補給の方法や、体内の水分・ミネラルを食事で補うレシピをご紹介します。
- 医療監修:東京医科大学健康増進スポーツ医学分野主任教授 浜岡隆文 先生
- レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック
脱水のサインとは?
人が1日あたりに摂取し排泄する水分は、平均的には約2.5Lです。体内の水分量は、摂取する水分量が多くても少なくても、腎臓の働きによって尿量を増減させることで保たれています。しかし、大量に汗をかいたり水分補給が足りなかったりすると、腎臓で調節できなくなり、脱水状態に陥ります。脱水状態のサインには「のどが渇く」「尿の色が濃い黄色になる(水分が減って濃くなる)」などがあります。また、短時間での体重の変化は、そのまま水分量の変化とも考えられます(成人の場合、体重の2%の水分が減ると脱水がかなり進んだ状態)。乳幼児は、体内の水分量が多く代謝が盛んで汗をよくかきますが、体温調節の機能が未熟なため水分補給に気を配る必要があります。高齢者は逆に体内の水分量が少なく、少し不足しただけでも熱中症のリスクが高まります。加齢により皮膚の感覚が低下していて暑さやのどの渇きを感じにくくなっているので、こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。
上手な水分補給のコツとは?
軽い脱水状態ではのどの渇きを感じないため、「のどが渇く前」から意識してこまめに少量ずつ飲むことが大切です。特に運動の前や暑い場所に行く前は、しっかりと水分を摂りましょう。日常生活の中で特に脱水しやすいタイミングは、睡眠中や入浴時です。睡眠中は水分が摂れないうえ、一晩で500ml程度の汗をかくことがあるため、脱水状態になりやすく睡眠中に脳梗塞を起こすケースもあります。寝る前と起床時には、コップ1杯(150ml)程度の水を飲む習慣をつけましょう。入浴中も脱水状態になりやすいため、お風呂から出たあとだけでなく、入る前にも水分を摂るとよいでしょう。行動内容によって摂るべき水分量は異なりますが、作業や仕事の休憩ごとに水を飲む、外出の際は水筒を持参するなど、こまめな水分補給を心がけてください。室内でもエアコンなどで空気が乾燥していると脱水状態になりやすいため、水分補給が必要です。
脱水状態を防ぐには?
水分補給として最も望ましいのは、カフェインも糖分も含まない水や麦茶です。カフェインが含まれるお茶やコーヒーには利尿作用があり、ジュースなど糖分が含まれる飲み物は体内への水分の吸収率が悪くなるので、飲むタイミングに気をつけましょう。アルコールは、飲んだ量以上に水分を排泄させてしまうため、水分補給にはなりません。お酒を飲むときは水も一緒に飲むこと。運動するときや大量に汗をかくときは、水分だけでなく塩分(ナトリウム)も排出されてしまうので、適度な塩分が含まれるスポーツ飲料を追加するのがおすすめです。ただし、スポーツ飲料には糖分も含まれるので、飲み過ぎには注意です。運動する2時間前から水分を摂り、運動中も暑いときは30分に1回休憩をとってスポーツ飲料を飲むとよいでしょう。また水分は、飲み物とほぼ同じくらい食事からも摂取しています。特にたくさん汗をかく夏は、野菜や果物などを積極的に料理に取り入れて水分やミネラルを補いたいもの。暑さで食欲がなくなると栄養も不足しがちなので、タンパク質も一緒に摂るようにしましょう。
出典:月刊『栄養と料理』「夏の水分補給のコツ」より再編集
レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック 特別講師 今泉久美
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