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よくみられる症状別レシピ

総合監修

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横浜市立大学附属病院 消化器・一般外科 診療教授

利野 靖先生

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栄養指導・食事監修

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淑徳大学
看護栄養学部 栄養学科 教授

桑原 節子先生

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症状別レシピ

①悪心や嘔吐

悪心(吐き気)や嘔吐は、抗がん剤の治療で最も起こりやすい症状で、がん患者さんの40~70%にみられます。抗がん剤投与後数日で収まる場合が多いので、症状が出ている時は水分補給には気をつけて、無理して食べないほうがよいでしょう。嘔吐が続く場合は制吐剤を併用し、食べられそうな時には次のポイントを参考に、自分に合った対処法を探ってみましょう。

\ 悪心や嘔吐がある時の食事のポイント /

悪心や嘔吐がある時の
\  食事のポイント  /

気分が悪くならない程度に少しずつ、よく噛んで食べる
果物やシャーベットなど、ひんやりと口当たりがよく、飲み込みやすいものを選ぶ
脂肪の多い食事は胃内停滞時間が長くなり、胃もたれしやすいので控える
食材は1~2種類程度で、味つけは塩味などシンプルに
同じものを続けて食べない
嘔吐を繰り返すときは、脱水に気をつけ、スポーツ飲料やみそ汁などをとる
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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『吐き気・嘔吐』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」
p6-9

おすすめレシピ

ところてん

ところてんはストックしておくと便利な一品。体調にあわせて酢の量を加減し、青のり、からし、ゆず、ごまなどを加えても。

トマトのポン酢サラダ

ポン酢の風味でさっぱりといただくサラダ。シンプルな味つけで食べやすい一品です。

かんきつのシュワシュワゼリー

オレンジと炭酸をあわせて、シュワッとした食感を楽しめるデザート。口の中がさっぱりします。

②口内炎

抗がん剤治療による口内炎は一時的なことが多く、治療開始からおよそ2週間後に起こり、少しずつ治っていきます。とはいえ、口内炎が原因で食事や睡眠が十分にとれなくなり、体力低下を引き起こすこともあるので、以下のポイントを参考に不快感や痛みをできるだけ軽減しながら乗り切りましょう。

\ 口内炎がある時の食事のポイント /

口内炎がある時の
\  食事のポイント  /

食べ物はやわらかくする、細かくする、とろみをつけるなどで口内を刺激しないようにする
人肌程度の温度に冷まして食べる
調味料が刺激になることがあるので、だしをきかせて薄味にしたり、ぬるま湯で薄めたりする
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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『口内炎・口内の乾燥』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」
p20-25

おすすめレシピ

レンジ雑炊

ご飯と材料をあわせて電子レンジにかけるだけ!やさしい味で刺激の少ない雑炊です。具材や薬味の種類、だしの温度は、体調にあわせて調整をしましょう。

新じゃがのエビあんかけ

食材にトロリとしたあんがからむことで、口内が乾燥している場合でも食べやすく、飲み込みやすくなります。

2色マッシュ

水分が多く、やわらかいマッシュサラダは、口あたりがよく食べやすい料理の一つ。ドレッシングやトッピングのナッツが刺激になる場合は省いてもOK。

その他、胃がん患者さん全般によくみられる症状

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体重減少・食欲不振

便秘・下痢

味覚障害

胃がん患者さん
全般によくみられる症状別レシピ arrow right

コラム

術後に食べていいもの、食べないほうがいいもの

胃切除術後だからといって食べてはいけないものはありません。食べた後に不快感やトラブルなどがなければ何を食べても大丈夫です。どの患者さんも、必要なエネルギー量とたんぱく質が不足しないように、バランスのよい食事を少量ずつ、よく噛んで食べることを基本とし、安心して食べられるものと、症状によっては気をつけた方がいい食べ物(油や脂肪の多いもの、食物繊維の多いもの、血糖値の乱高下につながるもの、香りや刺激の強いもの、かたいものなど ※)があることを知っておくとよいでしょう。
※詳しくは医師や管理栄養士にご相談ください。

おすすめの食べ物・気をつける食べ物

おすすめの食べ物 分類 気をつける食べ物
粥・おじや・軟飯・うどん(煮込み)・そうめん・
冷麦・食パン・バターロール
主食 玄米・赤飯・すし・いなりずし・カレーライス・そば・
ラーメン
白身魚・鮭・ほたて貝柱・えび・はんぺん・
スープ煮缶・カニ缶
魚介類 いか・たこ・貝類(かき・ほたて貝柱以外)・
脂肪の多い魚・魚卵
鶏肉(皮なし)・ささみ・豚肉(赤身)・
牛肉(赤身)・レバー
肉類 牛豚バラ肉・サーロイン・皮付つき鶏肉・ウインナー
鶏卵・卵豆腐・茶碗蒸し
豆腐・引き割り納豆・豆乳・湯葉(揚げていないもの) 大豆製品 枝豆・炒り豆・かたい煮豆
牛乳・ヨーグルト・チーズ・生クリーム・
スキムミルク
乳製品
植物油・バター・マーガリン・マヨネーズ・
オリーブ油
油脂類 ラード・ヘッド
水溶性食物繊維の多い野菜:
ほうれん草・白菜・かぶ・人参・レタス・キャベツ・
大根・なす・かぼちゃ・小松菜・玉葱・
梅干し(種なし)・じゃが芋・長芋・里芋
野菜・きのこ類 不溶性食物繊維の多い野菜:
山菜類(せり・ぜんまいなど)・レンコン・
とうもろこし・ごぼう・たけのこ・ふき・セロリ・
ししとう・さつま芋・干し芋・きのこ類・生野菜・漬物
バナナ・りんご・桃・メロン・
缶詰(パイン・みかんは除く)
果物 みかん類・パイン・梨・柿・アボカド・ドライフルーツ
ビスケット・プリン・カステラ・蒸しパン・
ホットケーキ
菓子類 チョコレート・ケーキ・パフェ・大福・
ポテトチップス
乳酸飲料・濃くないお茶・麦茶 飲み物 甘みの強いジュース・炭酸飲料・濃いお茶・コーヒー
・アルコール類
その他 海藻・こんにゃく・しらたき・わさび・
唐辛子などの刺激物・カップラーメン・市販惣菜・外食
煮る・蒸す・焼く・細かく刻む 調理法 揚げる・炒める

※炭酸水に含まれる炭酸ガスは腸の動きを活発にする働きがあるので、食事の前に一口飲むことで食欲増進につながることもあります。ただし、飲みすぎには注意しましょう。

消化しやすい料理

食品 形態 料理名
卵類 半熟又は軟らかい状態 半熟卵・炒り卵・茶碗蒸し・スクランブルエッグ・温泉卵・卵豆腐・
ふわふわ卵・卵とじ煮・オムレツ・かき玉汁・プリン
肉類 鶏肉皮なし・ささみ・
牛肉赤身や豚肉赤身の挽肉
(脂肪分の少ないもの)
グラタン・シチュー・つくね煮・蒸しとり・肉団子スープ煮・
肉団子うま煮・そぼろ煮・ロールキャベツ
牛乳・乳製品 温める クリーム煮・シチュー・ホワイトソース煮・ババロア・牛乳ゼリー
豆腐類 そのまま・くずす・絞る 湯豆腐・煮奴・冷奴・炒り豆腐・豆腐あんかけ・味噌煮・白和え・納豆
・生揚げ含め煮・引き割り納豆
いも類 一口大・マッシュ 含め煮・そぼろ煮・クリーム煮・マッシュポテト・里芋含め煮・
ポテトグラタン・とろろ芋・味噌煮・味噌あんかけ
野菜類 繊維を切るように下処理する スープ・クリーム煮・軟らか煮・あんかけ・煮浸し・味噌汁・味噌煮・おろし煮・温野菜・野菜ジュース・トマトジュース
果物類 缶詰類・煮る・絞る 缶詰(パイン・みかんは除く)・おろしりんご・コンポート・バナナ・
フルーツゼリー・ジュース
穀類 軟らかく煮る 全粥・おじや・軟飯・煮込みうどん・煮そうめん・ソフトパン

※胃切除後の胸やけの場合、冷たい牛乳を一口飲むことで症状が和らぐこともあります。

「国立がん研究センター中央病院指導資料」より
(国立がん研究センター「がん情報サービス『手術後の食事(胃、大腸)』」を改変)

市販の総菜やレトルト食品、冷凍食品を上手に取り入れる

市販のお惣菜やレトルト食品、冷凍食品などは体にあまり良くないのでは、というイメージがありがちですが、料理が苦手な方や、手作りが負担になる場合は上手に活用しましょう。また日持ちするものを常備しておくと、体調が悪くて食事作りがつらい日や、買い物に行けない日があっても安心です。

食べられないときはサプリメントや栄養補助食品も利用

サプリメントは足りない栄養を補助するもので、サプリメントに頼り切りで食事をおろそかにしては回復につながりません。ただ、どうしてもたくさん食べられなかったり、消化吸収の機能が落ちていたりする間は、必要な栄養素がとりにくくなります。特にビタミンEとAは不足しがちで、めまいなどの神経症状を感じたらビタミンEが、体重減少はビタミンAが不足している場合があります。そのような症状が気になるときは医師や管理栄養士に相談し、サプリメントや栄養補助食品を利用してうまく乗り切ることも有効です。

職場復帰後の食事のコツ

自宅療養中は1日5~6回の食事を続けてきたけれど、職場では間食をとりにくいという声もよく聞かれます。職場復帰など、自宅以外で食事をとる機会が増えてきたら、まわりの人に自分の症状を伝え、間食が必要であることを理解してもらうことが重要です。 職場でとる間食は、持ち運びに便利で手軽にとれるクッキータイプの栄養補助食品や個包装のお菓子、ゼリー飲料などが便利です。また経腸栄養剤を水筒に入れて持参するのもおすすめです。

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総合監修

利野 靖先生

横浜市立大学附属病院 消化器・一般外科 診療教授

学歴/職歴

1985年3月
横浜市立大学医学部卒業
1985年6月
横浜市立大学医学部附属病院研修医
1987年6月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科常勤特別職
1988年6月
関連施設で研修
1993年6月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科助手
1999年4月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科講師
2000年9月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科講師兼臨床部長
2005年1月
横浜市立大学附属病院一般外科部長兼第一外科講師
2007年4月
横浜市立大学附属病院一般外科部長兼外科治療学准教授
2016年4月
横浜市立大学附属病院一般外科臨床教授兼外科治療学准教授
2019年2月
横浜市立大学附属病院消化器・一般外科診療教授兼外科治療学准教授、
消化器・一般外科部長、呼吸器外科部長、乳腺・甲状腺外科部長
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栄養指導・食事監修

桑原 節子先生

淑徳大学 看護栄養学部 栄養学科 教授

学歴/職歴

1980年
女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
1980年~2013年
7施設の国立病院機構病院にて勤務、病院マネジメントを実施
2003年より
国立がん研究センター中央病院・栄養管理室長
2007年から3年間
厚生労働省医政局政策医療課栄養専門官を併任
2013年より
現職