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よくみられる症状別レシピ

総合監修

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横浜市立大学附属病院 消化器・一般外科 診療教授

利野 靖先生

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栄養指導・食事監修

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淑徳大学
看護栄養学部 栄養学科 教授

桑原 節子先生

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症状別レシピ

①ダンピング症候群

本来、食べたものは胃の中で混ぜ合わされ、少しずつ腸に移動しますが、胃を切除したことで未消化のまま急に腸に流れ込み、それによって様々な苦しい症状が起こります。これがダンピング症候群です。冷や汗、動悸、全身倦怠感、頭痛などが主な症状で、食事直後に起きる「初期ダンピング症候群」と、食事から2~3時間後に起きる「後期ダンピング症候群」があります。 ダンピング症候群は起きてしまってから対処するのではなく、起きないように日々生活していくことが大切です。

\ 初期ダンピング症候群を予防する食事のポイント /

初期ダンピング症候群を
\  予防する食事のポイント  /

初期ダンピング症候群は、炭水化物が腸で急に吸収され、高血糖状態になったり、腸内に水分が移動したりすることが原因で起こります。一度に多量の食事をとるとダンピング症候群を起こしやすくなるので、1日5~6食に分けるなど食事は少量ずつ、ゆっくりとよく噛んで食べるようにします。急激に血糖値を上げるような甘い食べ物は注意が必要です。また、食べ物が急速に腸に送られないよう、食事中の水分も控えめにしましょう。

\ 後期ダンピング症候群を予防する食事のポイント /

後期ダンピング症候群を
\  予防する食事のポイント  /

後期ダンピング症候群は、食後急激に上がった血糖値を下げようとするホルモンの働きにより、血糖値が下がりすぎて低血糖状態になってしまうことが原因で起こります。予防するには初期ダンピング症候群と同じく、一度の食事は少量にし、血糖値を急激に上げないようにすることがポイントです。後期ダンピング症候群がしばしば出る人は、食後2時間くらいに飴やビスケット、甘い飲み物などをとって、あらかじめ低血糖を予防することも有効です。

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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『胃がん 療養』」
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」
日本胃癌学会編 p61-62

おすすめレシピ

おからとナッツの黒糖ソフトクッキー

たんぱく質を手軽に摂れて、持ち運びもしやすいので外出時の補食にも。

オレンジときび糖のパウンドケーキ

小麦粉の一部を大豆粉にすることで、軽い口当たりに。少量ずつ切り分けていただきましょう。

ブランマンジェ

ぶるぶるつるりとした舌ざわりが楽しい、食事と食事の間に食べやすいおやつ。

②逆流症状(胸やけ)

胃を切除することにより、逆流を防止する弁の働きがなくなってしまうことが原因で起こりやすくなります。胃液や腸液が食道に逆流し、胸やけやみぞおちの痛みなどの症状がみられます。特に胃切除後は、アルカリ性の腸液が逆流することによる胸やけが起こりやすくなります。そのようなときは以下のような対応をすることで症状が和らぐことがあります。

\ 逆流症状がある時の食事のポイント /

逆流症状がある時の
\  食事のポイント  /

食事のあと前かがみになったり横になったりするのは避け、座っているか、軽く散歩する

少量ずつよく噛んで食べる。食べすぎると消化不良を招き、逆流の原因に

チョコレートなど脂肪の多い食べ物は消化が悪いので避ける

カフェインは消化液の分泌を促すので控える

胸やけがするときは、レモンを絞った水や冷たい牛乳を一口飲む

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参考 :国立がん研究センター「がん情報サービス『胃がん 療養』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」 p2
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」
日本胃癌学会編 p65-66

おすすめレシピ

かぼちゃのリゾット

かぼちゃは細かく切って火の通りを良くしましょう。やわらかく加熱することで消化しやすくなります。

キャベツスープ

胃腸の健康維持に効果的な栄養素を豊富に含むキャベツを温かいスープでいただきます。

ふんわり和風ハンバーグ

豆腐、鶏ひき肉、はんぺんで作るハンバーグ。たんぱく質はしっかり、脂質は控えめのおかずです。

③腸閉塞

術後、腸が癒着したところに食べたものが詰まり、便やガスが出なくなったり、吐き気や嘔吐、腹痛などの症状が起こったりするのが腸閉塞です。退院後、あまり動かずに寝てばかりいると癒着が起きやすくなるので、立つ、座る、歩くといった動作を積極的に行いましょう。 また、回復してくると多く食べたくなりますが、それが原因となることも。食事の量は腹五分目くらいに留め、食事回数を多くすることで1日に必要な栄養を補うようにします。

\ 腸閉塞の症状がある時の食事のポイント /

腸閉塞の症状がある時の
\ 食事のポイント /

腹五分目くらいを目安に、少しずつ、ゆっくりよく噛んで食べる

ヨーグルト等で腸内の善玉菌を増やす

海藻類、きのこ、ごぼうなど、食物繊維の多い食べ物や、消化しにくいものは避ける

規則正しい食事を心がける

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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『腸閉塞』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」 p30-31
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」
日本胃癌学会編 p61

おすすめレシピ

タラの甘酢あんかけ

消化に負担が少ない白身魚を、とろみをつけたあんで食べやすく。

甘酒バナナヨーグルト

たんぱく質、糖質を手軽に摂れる簡単レシピ。整腸作用も期待できます。朝食や間食に。

煮麺

やわらかく煮たそうめんは、少しずつゆっくりとよく噛んでいただくのがポイント。量は症状に応じて調整しましょう。

④貧血

胃を切除すると鉄やビタミンB12が吸収されにくくなり、赤血球の中にある酸素を運ぶヘモグロビンが作られず貧血が起こります。立ちくらみ、息切れ、めまいのほか、頭痛や胸の痛みなどの症状が出ます。 胃を全摘出した場合のビタミンB12の低下は、食事での改善は期待できません。ビタミンB12が低下した場合は、ビタミン剤の内服など医療機関にご相談ください。

\ 貧血を予防する食事のポイント /

貧血を予防する
\ 食事のポイント /

ヘモグロビンの材料となるたんぱく質や鉄を多く含む食品をとる

鉄の吸収を高めるビタミンCを多く含む食品を一緒にとる

赤血球を作るのに必要なビタミンB12や葉酸を多く含む食品をとる

鉄や亜鉛の供給源となる貝類は、食中毒の危険があるのでしっかり加熱する

鉄を多く含む食品の例

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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『貧血』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」 p2
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」日本胃癌学会編 p62

参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『貧血』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」 p2
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」
日本胃癌学会編 p62

おすすめレシピ

かき鍋

貧血予防に有効な鉄などの各種ミネラルやビタミンが豊富なかき。しっかりと火を通していただきましょう。

和風レバーディップ

少量で鉄もエネルギーも摂れる一品。たくさん作って小分けにし、冷凍保存しておくと便利です。

きな粉と小松菜のバナナスムージー

鉄やビタミン豊富な小松菜を使ったスムージー。きな粉と牛乳とあわせることで、カルシウムとたんぱく質もUP。朝食におすすめです。

⑤骨障害(骨粗しょう症など)

胃を切除するとカルシウムの吸収が悪くなり、切除1年目までに急速に骨に含まれるミネラル成分の量(骨塩量)が低下します。 その結果、骨が弱くなり、骨折しやすくなる「骨粗しょう症」などを引き起こします。「骨粗しょう症」で骨折すると活動量が下がり、術後の回復が遅れるなどの悪影響につながります。定期的に骨のカルシウム濃度を測ったり、切除後すぐに食事の対策をとったりするなど、カルシウムやビタミンDが不足しないように気をつけましょう。

\ 骨障害(骨粗しょう症など)を予防する食事のポイント /

骨障害(骨粗しょう症など)を予防する
\ 食事のポイント /

カルシウムを多く含む食品をとる

カルシウムの吸収を高めるビタミンDを多く含む食品をとる

骨を作る骨芽細胞に働きかけるマグネシウムを多く含む食品をとる

カルシウムを多く含む食品の例

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参考:国立がん研究センター「がん情報サービス『胃がん 療養』」
公益財団法人 がん研究振興財団「がん治療中の食事サポートブック2020」 p2
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用2004年12月改訂」
日本胃癌学会編 p62

おすすめレシピ

青菜とさば缶のごま味噌焼きうどん

さば缶は骨ごと食べられるのでカルシウムがたっぷり。保存もきいて手軽に使えるので、常備しておきたいアイテムです。

大根ご飯

野菜の中でも特にカルシウムが豊富な大根の葉を、塩とみりんだけの素朴な味付けで炊き込んだご飯です。

冷蔵庫の中身でシチュー

名前の通り冷蔵庫に「いつもあるもの」を使った簡単シチュー。スキムミルクを加えてさらにカルシウムUP。

その他、胃がん患者さん全般によくみられる症状

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体重減少・食欲不振

便秘・下痢

味覚障害

胃がん患者さん
全般によくみられる症状別レシピ arrow right
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総合監修

利野 靖先生

横浜市立大学附属病院 消化器・一般外科 診療教授

学歴/職歴

1985年3月
横浜市立大学医学部卒業
1985年6月
横浜市立大学医学部附属病院研修医
1987年6月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科常勤特別職
1988年6月
関連施設で研修
1993年6月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科助手
1999年4月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科講師
2000年9月
横浜市立大学医学部附属病院第一外科講師兼臨床部長
2005年1月
横浜市立大学附属病院一般外科部長兼第一外科講師
2007年4月
横浜市立大学附属病院一般外科部長兼外科治療学准教授
2016年4月
横浜市立大学附属病院一般外科臨床教授兼外科治療学准教授
2019年2月
横浜市立大学附属病院消化器・一般外科診療教授兼外科治療学准教授、
消化器・一般外科部長、呼吸器外科部長、乳腺・甲状腺外科部長
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栄養指導・食事監修

桑原 節子先生

淑徳大学 看護栄養学部 栄養学科 教授

学歴/職歴

1980年
女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
1980年~2013年
7施設の国立病院機構病院にて勤務、病院マネジメントを実施
2003年より
国立がん研究センター中央病院・栄養管理室長
2007年から3年間
厚生労働省医政局政策医療課栄養専門官を併任
2013年より
現職