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エンジョイ・ ヘルシーライフ

日常生活で心がけていることやヒントを聞く、エンジョイ・ヘルシーライフ。
今回は、科学する料理研究家の、サリーさんにお話を伺いました。

Sallyサリー

科学する料理研究家。2011年、京都大学総長賞を受賞し、京都大学農学部を卒業。2013年、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2010年より「ELLEONLINE」にて科学を活かしたレシピ・ブログ「Sallyの科学なごはん帖」を連載し、好評を得る。理系ライターズ「チーム・パスカル」でも活躍。著書に『「おいしい」を科学して、レシピにしました。』(サンマーク出版)がある。

ワンポイント レッスン

じゃがいもについて科学しましょう。じゃがいもというと、炭水化物というイメージが強いと思いますが、実はビタミンCが豊富なんです。しかもでんぷんに守られているので、加熱してもビタミンCを失いづらい。食物繊維も豊富ですし、日持ちもするので、たいへんありたがたい野菜です。保存は冷暗所など陽の当たらないところに置くこと。夏は冷蔵庫に入れておいてもいいと思います。

「科学する料理研究家」と名乗っています。大学では農学を専攻していて、ふだん食べる美味しい食べ物や、料理の仕方に科学の裏付けがあることに気づきました。それを広めていきたいと思っています。ふだん何気なくしているけれど、実は理由がわからないでやっていることって多くありませんか。例えば、料理をする前に肉に塩を振ること。味付けのためと考えている人が多いですが、それだけではありません。塩にはタンパク質の凝固を促進させる性質があります。表面がコーティングされた状態になるので、うま味や肉汁が出にくくなり、しっとり感を内に閉じ込めたまま焼くことができます。ほうれん草やチンゲン菜をゆでるときに塩を入れると、緑色を鮮やかにするという効果もあります。こうしたことがわかると、後から塩で味付けすればいい、とは思わなくなるでしょう。

次に、味付けに関する科学です。野菜を料理する時は味付けのタイミングが重要。野菜に塩分を加えると、浸透圧の関係で水分が外に出てしまいます。サラダのドレッシングなどは出す直前にかけるようにしましょう。緑色の野菜に含まれる色素は熱や酸性で褐色に変化する性質があります。味噌、醤油、酢は弱酸性なので、しばらくつけておくと、色が悪くなります。直前に入れるようにしてください。

最後は、うま味の科学です。うま味の成分は大きく分けてふたつあり、アミノ酸系のものと核酸系のものに分かれます。昆布や野菜に含まれるうま味やチーズ、醤油などはアミノ酸系。かつおなどの魚、肉、きのこなどが核酸系。このふたつのうま味には、相乗効果というものがあり、合わせるとうま味が増します。昆布とかつお節の合わせだしというのは理に適っているんですね。中華の「ねぎと鶏がら」、洋風だしの「玉ねぎと牛すね肉」も同じこと。肉料理にトマトソースをかけると美味しいのは、こうした相乗効果のおかげです。

うま味はとても大切だと思います。うま味があることで、結果として健康に食べることができます。塩を入れて味が足りないと塩を追加してしまいますが、うま味がしっかり出ていれば、さらに塩を足す必要はありません。食事で満足が得られて、間食なども減り、ダイエットにもつながるでしょう。味だけなく、匂いや見た目も大切。五感を動員して料理を楽しんでください。

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