元気が出るレシピ
骨の健康が気にかかる
Update | 2020/11/30
男性も女性も、年齢とともに骨量(骨密度)は低下していきます。丈夫な骨を作り、骨粗しょう症を予防するためには、バランスのよい食事と積極的なカルシウムの摂取、そして日常の運動習慣が必要です。毎日の生活の中で、骨力アップを心がけましょう。
- 監修:女子栄養大学 栄養学部教授 上西一弘 先生
- レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック
骨粗しょう症とは
「骨粗しょう症」とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなった状態のことを指します。「骨の強度」は、70%は「骨密度」で決まり、残りの30%は「骨質」によって決まるといわれています。私たちの体を支える骨は常に新しく生まれ変わり、新陳代謝を繰り返しています。ところが、何らかの理由でこの新陳代謝が崩れると、古い骨をこわす働きが進み、新しい骨を作る働きが追いつかず、骨が弱くなってしまうのです。骨粗しょう症は、遺伝や体格などの要因とともに、食事や運動などの生活習慣が大きく影響します。特に女性は、閉経に伴い女性ホルモンの分泌が減ると骨量が急激に低下し始めます。また男性も、加齢とともに骨量が減りやすくなるので、若いうちから骨を丈夫にしておくことは、男女ともに大切です。
骨の健康を保つには
骨といえば、まず思い浮かぶのが「カルシウム」。ただし骨はカルシウムだけではなく、コラーゲンというタンパク質の“柱”に、カルシウムとリンなどのミネラルが付着して形成されています。丈夫な骨を作るには、タンパク質をはじめ多くの栄養素が必要です。つまり骨の健康のために大切なのは「バランスのよい食事」なのです。カルシウムに加え、その吸収を助けるビタミンD、吸収されたカルシウムを骨に取り込むビタミンK、骨の形成を助けるマグネシウムなどを意識して摂るようにするといいでしょう。ビタミンDは食べ物から摂取するほか、紫外線に当たることで皮膚で生合成されるので、1日数十分程度の日光浴の時間を積極的に作るようにしましょう。また高齢者でも運動習慣のある人の骨密度は高いことから、若いころからの運動習慣も大切です。ウォーキングや筋力トレーニングなど、無理なく継続できる運動を日常に取り入れましょう。
骨力アップの食事のコツ
日常的にしっかりカルシウムを摂るには、まずは牛乳や乳製品がおすすめです。調理せずにそのまま摂取できること、カルシウム量が多いうえ、その吸収率が高いことも大きな理由です。体重が気になる人は、低脂肪の牛乳やヨーグルトを利用するのもおすすめです。また、大豆の成分「イソフラボン」も骨の健康に役立ちます。納豆も骨の健康に大切なビタミンKを多く含んでいるのでおすすめです。ただし、カルシウムは残念ながら“摂りだめ”はできません。必要以上に摂取しても消化管から吸収されないため、食事のたびに少しずつ摂るようにすることが大切です。毎回の食事に、乳製品や小魚、小松菜などの青菜類、大豆製品をプラスするようにしましょう。
以下は、カルシウムの自己チェック表です。自分自身のカルシウムの1日摂取量を大まかに知り、不足分を食事などで補うようにしましょう。
カルシウム自己チェック表
該当する食事量にチェックを入れましょう。自動で採点します。
20点以上 | 良い | 1日に必要な800mg以上摂れています。このままバランスの取れた食事を続けましょう。 |
---|---|---|
16~19点 | 少し足らない | 1日に必要な800mgに少し足りません。20点になるよう、もう少しカルシウムを摂りましょう。 |
11~15点 | 足らない | 1日約600mgしか摂れていません。このままでは骨がもろくなっていきます。あと5~10点増やして20点になるよう、毎日の食事を工夫しましょう。 |
8~10点 | かなり足らない | 必要な量の半分以下しか摂れていません。カルシウムの多い食品を今の2倍摂るようにがんばりましょう。 |
0~7点 | 全く足らない | カルシウムがほとんど摂れていません。このままでは骨が折れやすくなってとても危険です。食事をきちんと見直しましょう。 |
出典:『簡便な「カルシウム自己チェック表」の開発とその信頼度の確定』
(Osteoporosis Japan vol.13 no.2 2005 p221-226)
出典:月刊『栄養と料理』「骨力アップの食事ガイド」より再編集
レシピ選定:女子栄養大学 栄養クリニック 特別講師 今泉久美
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